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5.大切なこと

そもそも、なぜ、絵に関心のある若い子たちは、トンモイさんを頼るようになったのでしょうか。

トンモイさん
「Draw My Life」という映像がきっかけでしたね。
これは、チャンネルアイというテレビ局と一緒に作って、テレビで放送されました。

トンモイさんのこれまでの人生について、トンモイさんご自身が描いていく映像ですね。
トンモイさんのストーリーを伝えようと思ったのも、絵に関心のある若い子たちのためでしょうか。

トンモイさん
いや、自分の人生についてこんな風に映像にしようだなんてことは、一切考えたことがなかったですね。
チャンネルアイが僕に頼んでこなければ、絶対やらなかったです。
恥ずかしいじゃないですか、こんなの(笑)。
目立ちたがりだと思われそうだし(笑)。

でも、チャンネルアイからのお願いを、一応引き受けたわけですよね。

トンモイさん
僕、仕事に関してはイェスマンなんです。

断らない。

トンモイさん
僕が気にするのは、何かアイディアや企画があったとして、それを本当に実現する気があるのかどうかなんです。
これまでカートゥニストとして働いてきたなかで、たくさんの人が、僕のところにいろんなアイディアを持ってきました。
でも、アイディアは持ってくるけど、実際には何事も起こらないんですよね。
なので、なにか企画が持ち込まれたとしたら、実現する気があって、そのために行動しているかどうかというところを見ます。
例えば、今日このインタビューで、みなさん10分前に到着して電話をくれたじゃないですか。

はい。

トンモイさん
そこに、みなさんの本気を感じたんです。
こんな風に、本気なんだと分かれば、僕も一生懸命協力します。

トンモイさん
だから、チャンネルアイが声をかけてきた時も、「いいですね、やりましょう!」って答えつつ、どうせ実現しないだろうなって思っていました(笑)。
絵を描くだけじゃないですからね。
撮影も編集も必要で、確実にチームを作らなければ無理ですから。
お金も時間もかかるし。
そしたら、チャンネルアイが「いつにしましょうか」って。
で、こっちはどうせやらないだろうと思っているから、「いつでも!」って答えて(笑)。

(笑)。

トンモイさん
でも、そこから実際に会って、話をして。
僕一人ではできないことを伝えたら、ちゃんとチームを用意してくれたんです。
なので、今でも僕は、人に伝えるほどのストーリーが自分にあるとは、全く思ってないです。
だから、やりたくはなかったですね。
30歳にもなってないやつが自分の人生を語って、何か意味あるのかなって。
チャンネルアイに押されてやっただけでした。

トンモイさんには、人の心を動かすストーリーがあるな、と思います。

トンモイさん
自分のこれまでを伝えることに、こんなに大きなインパクトがあったんだな、と、放送されて気がつきました。

つづきます