中国のゴッホ、趙小勇さんからの手紙
中国の深圳市大芬にある油絵の街、
油画村で、20年以上にわたって
ゴッホの複製画を制作してきた趙さん。
最近は、複製画の制作だけでなく、
オリジナルの絵も制作しています。
その趙さんが、時々、お手紙を
書いてくれることになりました。
届き次第、こちらに掲載していきますね。
1972年、中国湖南省邵陽出身。1996年から、大芬油画村でゴッホの油絵の複製画を制作する。2013年にアムステルダムで本物のゴッホの油絵を観たことをきっかけに、自身もオリジナル作品を描いて生きていこうと決意する。
この趙さんの物語を中心とした映画「世界で一番ゴッホを描いた男」は、2016年にアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で初公開された。日本では、2017年11月に、NHK「BS世界のドキュメンタリー」にて同映画の短縮版が放送、2018年10月から全国の映画館で順次公開、2019年5月にDVDが発売された。
#001（2019/05/25）
みなさん、こんにちは。
わたしへのインタビュー記事が
5月に公開されたと聞きました。
読んでくださった方、ありがとうございます。
記事を読み、わたしの店へ来てみたいと
言ってくれた方や、これからわたしの作品が
見られるのが楽しみだと言ってくれた方も
いたと聞き、とてもうれしく思っています。
わたしは先日、北京へ行ってきました。
生まれて初めての北京です。
天安門や故宮、万里の長城、明の十三陵など、
歴史的な場所の観光はもちろんのこと、
北京798芸術区というアートスポットや、
多くのアーティストが住む
宋荘画家村も訪れました。
観復博物館や美術館で芸術鑑賞もしましたし、
初めての北京訪問は、学びがたくさんありました。
絵も描いていますよ。
現在制作中のオリジナル作品の一つが、
この「我的画室」です。
20年以上前、わたしや家族が
生活のために必死で複製画を
制作していた頃の様子を描いています。
昨年の7月ごろから描き始めました。
左下で絵を描いているのがわたしです。
制作中の唯一の楽しみが
ラジオを聞くことでした。
私の奥にいるのは妻で、そのそばには
生まれたばかりの娘がいます。
他は、わたしの兄弟や親戚たちです。
当時、複製画の注文が大量に入ったので、
大芬へ呼び寄せて手伝ってもらいました。
当時はこの部屋で、みんなで一緒に絵を描いて、
みんなで一緒にご飯を食べて、お酒を飲んで、
そうして生活していたんです。
絵の下の方、テーブルに載っているのは
ビール瓶です(笑)。
こんなに大きなキャンパスに点描しているので、
すごく時間がかかります。
下のテーブルの方は
まだ点描になっていないので、
そこを描き直したら完成です。
これからも、この我的画室のように、
自分の生活を描き続けるつもりです。
いい作品が描けたら、また教えますね。
