アイリンさんの食卓
「家族に、安全・安心でおいしいごはんを
食べてほしいって思っているんです。」
こう話すのは、バングラデシュ北西部の
タクルガオンに暮らすアイリンさん。
学校の先生であり、大学生とカレッジ生の
二人のお子さんを持つ、4人家族のお母さんです。
食卓にならぶのは、例えば、
小麦粉に水を加えてこねた生地を
薄くのばして焼いたルティ。
ペーストにしたにんじんと
シナモンやカルダモンなどのスパイス、
砂糖からつくられたにんじんのハルワ。
煮詰めた牛乳を加えた
やさしい味のチキンカレーなど。
そのどれもが、アイリンさんによって
手間ひまをかけてつくられています。
いそがしくて料理に十分な時間を
割けない日も、家族と協力して、
思いを込めたごはんを用意するそうです。
そんなアイリンさんの食卓を、
TSUMUGIで紹介していただくことになりました。
隔週日曜更新、編集担当は深谷です。
1968年生まれ。バングラデシュのラジシャヒ大学哲学科修士課程修了。日本における高校のようなカレッジで哲学を教えている。大学時代に知り合った旦那さんと、大学生の息子さん（大学の寮で生活中）、カレッジ生の娘さんの4人家族。
#005（2019/12/01）
この週末は夫に留守を頼んで、
娘と一緒に、夫の妹である
ナスリンの家を訪ね一泊してきました。
ナスリンは、旦那さんと二人の男の子の
4人家族。
学校の先生で、とってもフレンドリーな性格です。
朝ごはんに、ナスリンがわたしと娘のためにと
つくってくれたのがバパピタ。
しっとりとした食感の米粉の蒸しケーキで、
刻んだココナツとサトウキビ果汁を煮詰めたものが
包まれています。
わたしは自分で料理をするのはもちろん、
こうして他の人の手料理をいただくのも大好き。
とってもおいしかったし、
早起きしてつくってくれてありがたかったです。
午後は、ナスリンと一緒にピタづくり。
小麦粉に卵と塩と水を加えてこね
油で揚げるパコアンピタと、
米粉と小麦粉をあわせたものに
塩と水を加えてこね、
油を使わずに土鍋で焼くチトイピタを
つくりました。
「朝も食べたのに、またピタ？」
と思われるかもしれませんが、
朝食べたバパピタとは全く違うんですよ。
パコアンピタは、外はカリっと中はふんわり。
チトイピタはもちもちとした食感で、
パセリのペーストと唐辛子からつくられる
チャツネをつけて食べるのが一般的です。
それに、ピタは冬だけの特別な食べ物。
だから、寒いうちに思う存分
ピタを楽しみたいのです。
たくさんのピタを食べられて
とっても幸せな気持ちになりましたよ。
わたしと娘は、ちょっと時間ができると
こうして親戚たちを訪ねます。
特に何かあるわけではなく
ただ家族で集まるだけですが、
それこそが素敵なことだと思うのです。
