アイリンさんの食卓

「家族に、安全・安心でおいしいごはんを
食べてほしいって思っているんです。」
こう話すのは、バングラデシュ北西部の
タクルガオンに暮らすアイリンさん。
学校の先生であり、大学生とカレッジ生の
二人のお子さんを持つ、4人家族のお母さんです。

食卓にならぶのは、例えば、
小麦粉に水を加えてこねた生地を
薄くのばして焼いたルティ。
ペーストにしたにんじんと
シナモンやカルダモンなどのスパイス、
砂糖からつくられたにんじんのハルワ。
煮詰めた牛乳を加えた
やさしい味のチキンカレーなど。
そのどれもが、アイリンさんによって
手間ひまをかけてつくられています。
いそがしくて料理に十分な時間を
割けない日も、家族と協力して、
思いを込めたごはんを用意するそうです。

そんなアイリンさんの食卓を、
TSUMUGIで紹介していただくことになりました。
隔週日曜更新、編集担当は深谷です。


プロフィールサンプル画像
Mst. Tohura Khatun Irene(ムサンマット・トフラ・カトゥン・アイリン)

1968年生まれ。バングラデシュのラジシャヒ大学哲学科修士課程修了。日本における高校のようなカレッジで哲学を教えている。大学時代に知り合った旦那さんと、大学生の息子さん(大学の寮で生活中)、カレッジ生の娘さんの4人家族。

 
 

#004(2019/11/17)

 
 
木曜日のこと。
わたしと同じように
カレッジで教職に就いている夫が、
帰り道にある市場でBoal Fishという
ナマズ系の魚を見つけて買ってきました。
 
 
南アジアや東南アジアで食べられる
淡水魚ですが、なかなか手に入るものでは
ありません。
それで夫は「めずらしくBoal Fishがあったよ!」
と買ってきてくれたのです。
 
 
せっかく買ってきてくれたのだし、
できればすぐに料理してあげたい。
けれど、わたしもカレッジから帰ってきたばかり。
魚の鱗を取って、捌いて…という元気は
ありませんでした。
 
 
夫もわたしが疲れているだろうことは
わかっていて、その日に食べるつもりで
買ってきたわけではなかったので、
翌日の金曜日、バングラデシュのお休みの日に、
カレーにして食べました。
 
 
写真サンプル
 
 
茹でキャベツと卵のカレー炒めと、
ボルボティという豆の一種の
ボッタもつくりましたよ。
 
 
写真サンプル
 
 
写真サンプル
 
 
魚が好きな夫は
Boal Fishのカレーを食べてうれしそう。
 
 
わたしが疲れている時は
「無理にごはんをつくらなくていいよ」と
当たり前に休ませてくれること。
こんな風に、お互いを理解し尊重することも
我が家の「チームワーク」の一つだなあと
思います。