アイリンさんの食卓

「家族に、安全・安心でおいしいごはんを
食べてほしいって思っているんです。」
こう話すのは、バングラデシュ北西部の
タクルガオンに暮らすアイリンさん。
学校の先生であり、大学生とカレッジ生の
二人のお子さんを持つ、4人家族のお母さんです。

食卓にならぶのは、例えば、
小麦粉に水を加えてこねた生地を
薄くのばして焼いたルティ。
ペーストにしたにんじんと
シナモンやカルダモンなどのスパイス、
砂糖からつくられたにんじんのハルワ。
煮詰めた牛乳を加えた
やさしい味のチキンカレーなど。
そのどれもが、アイリンさんによって
手間ひまをかけてつくられています。
いそがしくて料理に十分な時間を
割けない日も、家族と協力して、
思いを込めたごはんを用意するそうです。

そんなアイリンさんの食卓を、
TSUMUGIで紹介していただくことになりました。
隔週日曜更新、編集担当は深谷です。


プロフィールサンプル画像
Mst. Tohura Khatun Irene(ムサンマット・トフラ・カトゥン・アイリン)

1968年生まれ。バングラデシュのラジシャヒ大学哲学科修士課程修了。日本における高校のようなカレッジで哲学を教えている。大学時代に知り合った旦那さんと、大学生の息子さん(大学の寮で生活中)、カレッジ生の娘さんの4人家族。

 
 

#001(2019/10/06)

金曜日は、いつもチャチャを
我が家のごはんに誘います。
「チャチャ」というのは、ベンガル語で
「おじさん・叔父」という意味で、
夫の学生時代の恩師である
イスラムさんのことをこう呼んでいます。

チャチャは、夫にとってはメンターのような
存在で、今でも彼を支えてくれています。
わたしたちの息子に英語の基礎を
教えてくれたのもチャチャ。
そんなチャチャを我が家のごはんに誘うのが、
金曜日の恒例になっています。
 
 
この日は、チャチャがイリッシュという
魚を持ってきてくれました。
イリッシュはバングラデシュの国魚、
みんなのごちそうです。
もちろん、チャチャもイリッシュが大好き。
この日は、マスタードペーストと玉ねぎ、
にんにく、青唐辛子、クミンパウダー、
赤唐辛子パウダー、ターメリック、
そしてマスタードオイルを使って調理。
 
 
写真サンプル
 
 
他に、ポトルという野菜とじゃがいもを
スパイスで味付けして揚げ、
そこに青唐辛子と玉ねぎを加えたもの、
そして2種類のボッタをつくりました。
 
 
写真サンプル
 
 
写真サンプル
 
 
写真サンプル
 
 
娘さんたちが遠く離れて暮らしているため、
現在チャチャは一人暮らし。
「ここにいる時の方が、我が家にいるって
感じるよ」と言ってくれます。
イリッシュカレーはタッパーに入れて、
チャチャのお持ち帰りにもしました。