アイリンさんの食卓

「家族に、安全・安心でおいしいごはんを
食べてほしいって思っているんです。」
こう話すのは、バングラデシュ北西部の
タクルガオンに暮らすアイリンさん。
学校の先生であり、大学生とカレッジ生の
二人のお子さんを持つ、4人家族のお母さんです。

食卓にならぶのは、例えば、
小麦粉に水を加えてこねた生地を
薄くのばして焼いたルティ。
ペーストにしたにんじんと
シナモンやカルダモンなどのスパイス、
砂糖からつくられたにんじんのハルワ。
煮詰めた牛乳を加えた
やさしい味のチキンカレーなど。
そのどれもが、アイリンさんによって
手間ひまをかけてつくられています。
いそがしくて料理に十分な時間を
割けない日も、家族と協力して、
思いを込めたごはんを用意するそうです。

そんなアイリンさんの食卓を、
TSUMUGIで紹介していただくことになりました。
隔週日曜更新、編集担当は深谷です。


プロフィールサンプル画像
Mst. Tohura Khatun Irene(ムサンマット・トフラ・カトゥン・アイリン)

1968年生まれ。バングラデシュのラジシャヒ大学哲学科修士課程修了。日本における高校のようなカレッジで哲学を教えている。大学時代に知り合った旦那さんと、大学生の息子さん(大学の寮で生活中)、カレッジ生の娘さんの4人家族。

 
 

#002(2019/10/20)

数日前、お義母さんが
我が家へ来てくれました。
お義母さんは普段、
共働きの長男夫婦を助けるため
彼らと一緒に首都のダッカで暮らしていて、
我が家に来るのは年にたった2、3回のみ。
そのため、お義母さんが来るといつも
我が家はお祭りのようになります。
家族みんな、お義母さんが大好きなんです。
 
 
そんなお祭りみたいな日につくったのは、
南アジアで食べられるルイという魚と
たっぷりの玉ねぎを使ったカレー。
そして、いろんな種類の小魚と
千切りにしたジャガイモのカレーです。
 
 
写真サンプル
 
 
写真サンプル
 
 
お義母さんの好物はチキンだけど、
以前、魚も野菜も、わたしが料理したものは
おいしいから好きなんだと言ってくれたので、
今回は魚料理にしました。
普段は小食なのに、わたしがつくったものは
モリモリ食べてくれるのがうれしい。
お義母さんが食事中に見せる笑顔は
わたしを笑顔にしてくれます。
 
 
わたしたち夫婦は結婚後、
現在の我が家から20キロほど離れた村にある
夫の実家でお義母さんとお義父さんと
一緒に暮らしていました。
それまで都会で暮らしていたわたしにとって
村での生活は大変なものでしたが、
優しい二人のおかげで
徐々にその暮らしにも慣れ、
同時に二人のことが大好きになりました。
 
 
お義母さんがわたしのことを
大切に思ってくれているのがわかるから、
わたしも、お義母さんがたのしく幸せで
いられるよう、できることはなんでもしたい。
一緒に過ごせる時間は限られているけれど、
そんな風に思います。