台湾的日々漢方

エリさんは台北で、
漢方薬局を営むご両親のもとに
生まれました。
台湾の大学で音楽科を卒業し
アメリカでクラリネット奏者として
活動した後、日本の大学院へ。
卒業後、漢方ブランド「DAYLILY」を
起ち上げ、おしゃれでかわいい、
気持ちも体調も上がるような
漢方ライフを提案しています。

「台湾での漢方の存在感や立ち位置は、
日本でのそれとは少し違います」
とエリさん。
曰く、台湾での漢方は、
「もっと身近で、普段の生活にあるもの」
なんだそうです。
普段の生活に漢方があるって、
毎日漢方薬を飲んでるってこと…?
と思ったら、そうではない様子。
台湾の人たちは、漢方の知識や考え方を
普段の生活に取り入れて、
自分の体と上手に
お付き合いしているようなのです。

そんな台湾の人たちの生活について
エリさんが書いてくれることになりました。
漢方のこと、台湾の人たちのこと、
わたしたちの体のこと、
みなさんと一緒に
楽しみながら知っていきたいです。
不定期連載、編集担当は深谷です。


プロフィールサンプル画像
王怡婷(ワン・イーティン)

通称エリさん。
台湾の台北市にある漢方薬局に生まれ育つ。国立台湾師範大学音楽学科修了後、ニューヨークでクラリネット奏者として活動。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士課程を修了。卒業後、大学院時代の先輩である小林百恵(こばやしもえ)さんと一緒に、漢方のライフスタイルブランド「DAYLILY」を起ち上げ、アジアの女の子たちの体温と気分をあげるべく活動している。
DAYLILYのウェブサイトはこちら


4.台湾の女の子の美白の秘密、真珠の粉

今夏の日本は、台湾よりも暑い!

7月から9月ごろまで、
毎日のように気温が35度を超える
台湾の夏。
なので、台湾の夏は日本の夏よりも
暑いと思っていたのですが、
今夏の日本は、台湾以上に暑いですね。

この暑さの中、わたしは毎朝、
自転車で会社へ向かうので、
着くころには汗まみれ。
でも、電車で行くのは面倒だし
お金もかかるので、
今はとにかく我慢しています。(笑)

日本の暑さ対策・熱中症対策で
おもしろいなあと思ったのが塩飴。
台湾では、ただ水を飲むだけです。

また、台湾では、ほとんどの女の子が
日傘をさすのですが、
日本では、あまり使わないのですね。

連日の猛暑の中、
こうした違いが気になりました。

そんな今日は、台湾の人たちの
美白と漢方についてのお話です。

日本の友人たちから、
「エリちゃん、美白に
効果のある漢方ってある?」
と聞かれることがあるのですが、
「真珠の粉!」と答えると、
いつもびっくりされます。

「真珠の粉って、飲めるの?!」と、
日本の人たちにとっては、
にわかには信じられないらしいけれど、
台湾の女の子たちにとって、
真珠の粉を飲むのは、ごく普通のことです。
漢方薬局や漢方健康食品専門店では、
お手頃なものから高価なものまで
様々な真珠の粉を取り揃えていて、
お母さん方が、娘さんたちのためにと
買い求める姿をよく見かけます。

写真サンプル

わたしも、両親のすすめで、
小さいころから真珠の粉を飲んでいます。

真珠の粉だけだと、味がなく飲みにくいため、
わたしの父はいつも
粉光蔘(フンコウジン)というものを
一緒に入れてくれました。
粉光蔘は高麗人参の一種で、
美白だけでなく、胃腸や気管にも良いものです。
体が弱っている時にも飲まれます。
この粉光蔘を真珠の粉にまぜることで、
高麗人参の香りがプラスされ、
とても飲みやすくなります。

もしかすると両親は、
気管が弱かったわたしのことを心配し、
粉光蔘を飲ませるついでに
真珠の粉を飲ませていたのかもしれません。
けれど、この「粉光蔘真珠の粉」は
今ではわたしの美白マストアイテム。
日本のおうちにも常備しています。

真珠の粉を飲むときは、
スプーンで粉をすくって口に入れ、
お水で溶かしながら飲みます。

台湾の人たちは、
普段から漢方に親しんでいて、
粉状のものを飲むことになれているから
簡単にできるのですが、
粉薬を飲みなれない日本の方たちにとっては
ちょっと難しく、口の中に粉が
残ってしまうようです。

上手く飲むコツは、口の中で、
粉をちゃんとお水に溶かすこと。
そうすることで、とても飲みやすくなります。

写真サンプル

いま、DAYLILYは、
真珠の粉に関する商品をつくっているのですが、
その商品のデザインについて考えている
河ノさんから、「真珠の粉を最初に飲んだ人は、
なぜ飲もうと思ったの?」と聞かれました。
そこで、真珠の粉を飲み始めた起源について
調べてみたところ、
いくつかおもしろい伝説をみつけたので、
そのうちのひとつをシェアしますね。

昔々、中国のある漁村に、
四海という少年がいました。

その少年は、魚を捕るのがとても上手で、
ある日、父親に代わって海へ漁に出るのですが、
そこで、四海は海の魔王に出会います。

魔王を恐れることなく激しく戦い、
ついには魔王に勝つ四海。
その姿を見ていた人魚が、四海に恋をし、
やがて四海と人魚は結婚します。

ところが、美しい人魚と結婚した四海に
嫉妬した人々により、四海は殺され、
悲しみに暮れた人魚は、
自ら命を絶ってしまうのです。

その人魚の涙が真珠になり、
目が見えない人が
その真珠の粉を飲んだところ、
目が見えるようになりました…

悲しい物語です。
でも、なぜ真珠の粉を飲んでみようと
思ったのかは、結局よくわからない。
漢方にまつわる物語は、だいたいが、
「なんとなく飲んでみたら、なんとなく
効果がありました」という感じです。
神話っぽくて、かわいいのです。

真珠の粉は、飲むだけでなく、
肌に直接塗るのも効果的。
ヨーグルトやレモン果汁などと混ぜて、
顔に塗ってフェイスパックにすると、
肌がきれいになります。

わたしも、週に一回、
手づくりのフェイスパックをしています。
これは、先日つくった
はちみつと真珠の粉のパック。

写真サンプル

写真サンプル

いつも、その時に冷蔵庫にあるものを使って
パックをつくります。

わたしたちDAYLILYがつくった
「珍珠粉ボディソープ」も、
肌に直接、真珠の力を
届けることができるアイテム。
本物の真珠の粉を使っています。

写真サンプル

真珠の粉の香りがしっかりするので、
これで体を洗っていると、
真珠の粉のシャワーを浴びているような
気分になりますよ。

台湾の女の子の美白マストアイテム、
真珠の粉。
台湾でぜひ試してみてくださいね。