TSUMUGIのこと、日々のこと

TSUMUGIのことや日々考えたことなどについて
深谷が書きます。


 

新しい世界に入ったとき

 
 
先月末、めずらしくビジネス書を読んだ。 
長沢朋哉さんという方が書かれた「世界一やさしい『思考法』の本―『考える2人』の物語」。
 
フクダ製菓という中堅お菓子メーカーが舞台で、新卒入社から4年を迎える倉田京子が、広報部からマーケティング部へ異動になるところから話がはじまる。
 
入社以来、広報部でアイデア・ウーマンとして活躍してきた京子。マーケティングについては素人なのだが、ある役員によって、重要な新商品の担当に指名され、マーケティング部の先輩、青木優人と一緒に取り組むことになる。そのプロジェクトを通じて、京子はマーケティングについて、そこで求められる考え方について、青木から学んでいく。
ざっくり説明すると、こんな物語だ。
 
読んでよかったと思う。
 
TSUMUGIはこれまで、「とりあえずやってみる」スタンスできた。戦略もなかったし、TSUMUGIそのものを進めることは一人でやってきたから、自分の中に違和感がなければ即OK。人に納得してもらったり承認してもらったりする必要もないから、論理的である必要もなかった。
 
けれど、「途上国の人と日本の人を、ただの同じ人として、ポジティブな関係でつなぐ」ことを目指すTSUMUGIから、「わたしたちの生き方を変えることで、途上国と先進国という関係のない世界へ」を目指すライフスタイルマガジンへ変わるにあたり、準備と計画をしよう、目指すものや描くものへの道のりをしっかりとつくっていこうと思っている。
 
そう思う中で、どうしようかととりあえず読んでみたのがこの本でよかった。
 
もう一つ思ったのは、「ああ、新しい世界に入ったときにまずやるべきことは、やっぱり言葉の勉強なんだな」ということ。
 
プロジェクトに取り組む中で、京子は、広報部では使うことのなかった言葉に出会い、その度に、優人に教わり、そうしてマーケティング部に必要な考え方を身につけていく。
 
その言葉は、例えば「戦略的」であったり「論理的」であったり、確実に聞いたことがあるものだ。でも、それまでの京子の世界にも、わたしの世界にも、TSUMUGIの世界にも、これらの言葉は存在していなかった。だから、聞けばなんとなくの意味をイメージはできるものの、自分の言葉では説明できなかったし、その意味というか態度、考え方を、実際に用いることもできなかった。
 
これと同じ経験をしたのが、大学卒業後から一年後、学部の授業に混ざり、社会学と経済学の基礎を学んだ時だ。そこで「社会」と「経済」という言葉について習い、理解したことで、新しい世界が開けたし、その世界で、考えを積み重ねていけるようになったと実感している。だからTSUMUGIが生まれたし、この経験がなかったらTSUMUGIはなかった。
 
今すぐTSUMUGIを変化させるのではなく、時間をかけて世界を開いて、道のりを描いてやっていきたいと思っています。次は、同じく長沢さんの「世界一シンプルな『戦略』の本」をダウンロードしたので、読みます。
 
 
 
余談だけど、今働かせてもらっている工場は、新人さんには最初に時間をかけて言葉の説明をするところで、この本を読んで依頼、いいなあと思っている。