TSUMUGIのこと、日々のこと

TSUMUGIのことや日々考えたことなどについて
深谷が書きます。


 

迎える準備

 
 
ここ最近、「定住したいなあ、自分の場所が欲しいなあ」とぼんやり考えている。
 
 
新卒で入社した会社を辞めてからこれまで、住み込みの仕事を転々としながらTSUMUGIを進めてきた。
長野、兵庫、岡山、群馬、静岡、栃木。
旅館の仕事で仲居のお姉さんたちからこき使われたり、焦って階段を下りて捻挫したり。工場の仕事でレッドブルを毎日のように飲んでいたことも、同じ作業を毎日毎日続けたせいで左手の中指と薬指がうまく曲がらなくなったこともある。
 
 
それでも、家賃がかからず、時においしいごはんまで付いてくる住み込みの仕事は、生活費を節約してTSUMUGIにかかる費用を捻出することを可能にしてくれるありがたいもの。取材や執筆依頼のための海外渡航を理由に、2・3か月ほどの短期間しか働けないような時にお仕事をさせてくれたところもあり、それも本当にありがたかった。
 
 
ただ最近、「定住して、小さくてもいいから自分の場所が欲しいなあ」と思うようになった。
これからTSUMUGIを通して生まれるだろう「暮らし」を、自分自身が楽しみたい。そのための場所が欲しいと思ったのだ。
 
 
住み込みで働く日々では、なんだか自分の生活を犠牲にしていたし、だから自分の中の「生活する力」は(もともと弱いのにさらに)弱っていくよう。生活の中でよろこびを感じることがなかったなあとも思う。
 
 
加えて、場所を転々としていると、次の移動を想定してモノを持つことに消極的になってしまう。そもそもシンプルな人間なので大量にモノを持ちたいわけではないけれど、素敵なものを見つけた時くらい、何も気にせず家に迎えられるようになりたい。
 
 
実家と東京の間。家賃の相場が安い。TSUMUGIが軌道に乗るまでの仕事がある。平らかで自転車移動が楽。欲を言えば、おもしろい人たちが活動しているようなところだといいなあ。
 
 
来年の夏、TSUMUGIには届けたいものがある。自分の場所を持って、わくわくしてそれを迎えたいと思う。