TSUMUGIのこと、日々のこと

TSUMUGIのことや日々考えたことなどについて
深谷が書きます。


 

野田たかふみさんの連載開始に思うこと。

 
 
昨年の今頃、わたしは日本政策投資銀行が主催する「女性新ビジネスプランコンペティション」への応募に向け、TSUMUGIのビジネスプランを作成していました。

TSUMUGIの事業背景や目的、ビジネスモデル、事業計画などを考えて人に伝わる形でまとめるのは初めて。先輩方にアドバイスをいただいたり、あまりにもビジネス的な思考ができず見やすい資料もつくれないことから「会社で働いている大学の同期たちを見て、自分だけ置いていかれてるなって思わない?」と厳しいことを言われて泣いたり(未だに思い出したら鼻の奥がつんとする)しながらなんとかまとめて応募しました。

結果は一次審査落ち。けれど、事業をするうえで考えておくべき事柄について考えて言葉にしたことで、そこからやるべき具体的なことがいくつか見えてきて、応募してよかったと思っています。

その見えてきたことの一つが、TSUMUGIという場に読み物コンテンツを増やしていくこと。わたしはさっそくTSUMUGIで編集者として読み物コンテンツをつくってくれる方を探し始めました。

「月に5万円くらいなら編集者さんに支払えるかな。5万円でどのくらい関わってもらえるんだろう。その方が海外取材に行くなら旅費も発生するしな。」
そんなことを考えながら、「TSUMUGIに関わっていただけたらうれしい」と思える編集者さんをツイッターなどで探し、実際に3人の方に依頼。しかしどの方にも引き受けていただけず、また、TSUMUGIに関わっていただきたいと思える方をそれ以上は見つけられず、編集者さんに加わってもらって読み物コンテンツを増やすという計画は停止してしまいました。

その打開策が見えたのが今年の5月、やっと見つけた「TSUMUGIに関わっていただきたい」と思える方と直接会ってお話しした際にいただいた「がっつり関わってくれる人を一人見つけるより、ほんのちょっと関わってくれる人をたくさん見つけた方がいい」というアドバイスでした。

満足にお金を払えないということは、相手は他にちゃんとした仕事をする必要があるということ。そうであれば、その相手の負担にならない範囲で物事をお願いするのが当たり前だろう。そしてそれは悪いことではなく、むしろ、たくさんの方が関わってくれることで、その人たちそれぞれが、新たな人をTSUMUGIへ連れてきてくれるだろう。

それまで考えてもみなかったことで、生まれて初めて目から鱗が落ちたし、視界が一気に開けたようでした。

そこから、わたしの「読み物コンテンツ制作を依頼したい人像」は一変。お金を払えないのだから、編集者さんではなく、他のお仕事をしている方。海外取材の旅費は払えないのだから、海外在住の方。そのうえで、TSUMUGIと親和性の高い方。そういう方に、負担にならない範囲で読み物コンテンツを制作していただく。

協力隊の方たちはどうかなあと思いました。

幸いなことに、バングラデシュ留学中からお世話になっている先輩がネパールで協力隊として活動されていて、読み物コンテンツをボランティアで制作していただきたい、また、他の協力隊の方で読み物コンテンツを制作してくださりそうな方がいたら紹介いただきたいとお願いをすると、快く引き受けてくださった。初めて、内側からTSUMUGIに関わってくれる方が現れた。

そこからは、ツイッターやnoteで協力隊の方を探してはその方の言葉を読み、その人のことを知るように努めました。そうして見つけた「関わってくれたらうれしいな」と思った3人の協力隊の方に読み物コンテンツの制作ボランティアさんになっていただけないか依頼、そして3人共にオーケーをいただくことができました。

今日公開された新連載「ドミニカ共和国食べもん日記」を書いてくださる野田さんもその一人。共通の知り合いが間にいるわけでもなんでもないのに、わたしを信用し、読み物コンテンツの制作ボランティアを引き受け、こうして連載を開始してくださった。わたしにとっては奇跡みたいなことで、いつまでも大切に大切にしまっておきたいようなことです。

諦めずに行動して、勇気を出してお願いして、そうして起こしたこの変化を、次につなげたいと思っています。